BTSに出会い夢中になっていったころ、メンバーがそのままの名前にMVに登場しては強烈なストーリーを描く「花様年華」というコンセプトが鳥肌もので、謎解きみたいに必死に大量のブログを漁っていた時期があった。
そんなとき、あるnoteの「Agust D」に関する文章を読んで(どうやら職業はライターの方が書いているらしい、客観的でわかりやすくって勉強にもなって素晴らしいnoteだった。尊敬しかない)、は?ミックステープ?別名義?BTSってそんな展開もあるのか!と驚いてはその楽曲を聴いて、とたんに私は「SUGAにだけはハマるとズブズブに沼りそうでまずい」と思っていた。
心に深く沈めている、精神的な弱さに対し寄り添うみたいに共感してくれるは、きっとSUGAが「つくるもの」にある。そんな予感がしたからだ。
自分は基本、明るくてうるさく適当で飄々とした人間だ。根っからの関西人で、ギャーギャー騒ぐし、バッサリ突っ込んではゲラゲラ笑っているし、すぐふざけてしまうし、たぶんちょっとパブリックなJIN君っぽい。だからこそ、私はJINペンなのだろう。そんな自分が好きだし、ずっとそうありたい。
でもたまに、そのテンションががつんと落ちることがある。電源が落ちるかのように。そして、その落ち方が困ったことに異常である。
そうなるきっかけは、いつも仕事上の対人関係である。私はどうやら「信じていた人に裏切られた時」に、ガツン!!!!と真っ暗な穴に落ちるらしい。文字面にしてみてようやく分かったけれど、まあそりゃそうだよな。
一番最初にそれを食らったときは、まったく食事が食べられなくなった。口に何かを入れても砂利の味がしかしない。会社ではいつもの明るくバカなお調子者なのに、一人になって気づいたら、ボロボロ泣いていた。部屋で道端で街中で、電車のなかで。不眠症になった。ぐるぐる思考が途絶えなくなる、夜が怖くなった。悲しい以外の感情がその時私から消えた。そうなると、もう自分が消えたくなった。
そのしんどい日々をなんとかせっせと乗りこなして、近年ようやく徐々に元の何も考えない自分に戻ってこれてきたかなあ、などと思っていた。たぶん自衛も常に心がけていたと思う。けれど昨日、近頃習っているボクシングからの帰宅途中にフラフラになっては心も油断していたなか、二度目のそんな羽目をまたストレートに食らった。
ああ、やばい。
あれが来てしまう……。
予想した通り夜にがつんと、落ちた。じわじわ、ずぶずぶずぶ、あれが来る。夜ではない真っ暗な闇が襲ってくる。波のようにとりこまれていく。そして深夜が一番危険なのを知っている。
慌ててYoutubeで「Agust D」を検索した。今の私には「Agust D」のユンギが必要だ。
私にいまできる自分のための対策は<落ちるな!怒れ!怒ろう!むかつくって言え!自分のせいにするんじゃない!むかつくんだよ!って怒れ>を自分に気づかせることだ。ディスれ!とにかく自分でなく相手をディスれ!
そうなったことの理由をあれこれ考えて、自分のせいにして「自分が反省する」から、人は落ちるんじゃないかと思う。だから、いつもは他人に吐かない汚い言葉とともに、今は今こそ頭をふろう。
先日、BTSのラッパー・SUGAことユンギは肩の手術の成功と、その後の休養を発表した。
彼はバイク事故により、長年肩に故障を患っていた。その事故に関しては、BTSのドキュメンタリー「BTS: BURN THE STAGE」でそれをメンバーに初めて語る瞬間が映し出されている。ほかのメンバーが次々と驚きの声をあげるなか、ジン君はその告白に一切口を挟まなかったし、微妙な表情だったからもしかしたら知っていたのかもしれないけれど、RMは「だから(「The Last」に)こわれた肩という歌詞があったんだ」と洩らしていた。
「The Last」この楽曲は初めてBTSに触れては知るファンには、きっと衝撃的だと思う。私はそうだった。でも伝わらないことに苦しむかのようなユンギが書く歌詞って、いつもストレートだと私は思っている。だからこれもすべて実話であろうかなと予想する。だからこそ、途中の自主規制音のその言葉を想像しては、その地獄のような彼のしんどさを想うと涙が出そうになる。
ユンギは2019年年末のvliveの最後に、「”楽しい夜に”って言ったらダメだよね。”ラクな夜に”なりますように。おやすみなさい」と言っていた。私はその言葉を聞いたとき、「ああこの人は眠れないあの夜を知っている人だ」と思った。
この人は、絶望を知る人だ。
でも、私は今年の3月以降「良かったね、ユンギさん!!」と勝手に思うことが増えていた。
6月の『BANG BANG CON The Live』で、ユンギは「長年の爪を噛む癖を辞められた」とわざわざ宣言してくれた。以前、私は親指とその爪が時に瘡蓋まみれで、とんでもなく荒れてしまっている写真画像を見ては、悲しい気持ちになっていたから。彼が一歩前進できたようで嬉しくて、羨ましくなった。
またつい最近まで放送されていた『In the SOOP』で、心理学も学んでいるらしい、穏やかでは誰も否定しない、読書するときには必ず本文に線を引いているその彼を私は実はこっそり「仙人」と呼んでいた(すみません)。
ユンギは誰よりも落ち着いては、優しくてまるで仙人みたいだった。いま、めちゃくちゃ精神のバランスがいいんだろうなと思った。
肩の手術ニュースが舞い込んできたとき、「よかったね」と口にした。注射で痛みをごまかしてきたらしい彼に対し、事務所ふざけんな、遅すぎるくらいだよ、とも怒りたくなっては、でも彼らは日々BTSに時間を捧げては、身を削るように仕事を全うしているんだろう。大事なアーティストならもっと早くにその決断もすべきなんじゃないかと私は思ってしまうけれど、スケジュールやプライドや本人の責任感でそれを許さなかったのだろうか。
ユンギにコロナという未知のウイルスのおかげで空白の時間ができて、自分の肩に向き合うことができて、本当に良かった。
話は戻るが、昨夜どろどろになりながら「Agust D」を聴いた。ディスろう、怒ろう、あいつはクソだと言おう、叫ぼう、絶対自分のせいにするんじゃないぞ自分!!!!
創作の根源が恨みや怒りにあるのは、めちゃくちゃパワーになる。Agust Dのユンギが、私にそれを知ってるだろ?復習しろよ?とばかりに教えてくれたように思えた。そうだ、いまこの感情を怒りにかえて、自分のパワーにして、仕事にして、企画にして、成功させて、いつか見返してやればいい。このカッコいいユンギみたいに。だから落ちるな!絶対落ちるな!ディスれ!
<うつ病、強迫観念 時折またぶり返す><理想との葛藤 痛いな頭が><そう その頃の俺の精神はだんだん汚染された><ときどき俺も俺が怖い><自己嫌悪と また現れたうつ病のおかげで><もうミン ユンギは死んだ(俺が殺した)>
「The Last」を聴きながら、大丈夫だ、大丈夫だと唱える。
だって、私は3月以降「良かったね、ユンギさん!!」と勝手に思うことが増えていた。
ユンギはきっと、今「ここ」から抜け出している。
BTSを知ることで、ユンギを知ることでその方法を私は知った。いや知れた。怒れ!いまはディスれ!その後はきっと穏やかだ。
だから大丈夫、落ちるな。私だって、抜け出せる。
ニューアルバムBEのコンセプトフォトで鏡をその身の下に置いたのは、ユンギだ。
「僕自身を映してくれて、僕がここに存在していることを悟らせてくれます」
自分を見つめ続けては、生きることを自覚する鏡の上に身を置くユンギは、とても強い人だと思った。
今日夜を越えたらこんな私だって、君みたいになれると信じながら、自分のために言葉を吐いた。
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